☆「九文字はいく」の作り方は!
1 漢字の順序は、漢文方式でも、日本語の並びでも結構です。仮名を補って読んだ時に、読み易くします。
2 一般に「てにをは」など仮名で表記する文字を漢字で表すことはできません。 ただし、俳句の「切れ字」の場合や作者が特に漢字表記を希望する場合、適当な漢字があれば、可能です。
3 「漢字九文字」という、厳しい枠があることから、読み方には、柔軟性を認めています。例えば、「秋風清」は、本来「あきかぜきよし」(7音)ですが「秋」を読まないで、「かぜきよし」(5音)と読む仕法があります。多用はできませんが、ある程度は許されます。また、意味が同じであれば、読みを調整できます。例えば、「疾走」を「はしる」、「勝利」を「かつ」と読むなどです。
4 俳句のような「季語」は、不可欠ではありませんが、季節感のある言葉(季材と言います)を活用することにより、深みのある情景描写をすることができます。
5 作者が作品をどのように読んだか、読み方を付記することができます。(付記されていなければ、読者は自分の判断で、読むことになります。
6 「九文字はいく」と写真、絵画を組み合わせることにより、より豊かな情景描写をすることもできます。
☆ 「九文字はいく」作成の着意点は!
1 解り易さ 仮名を補えば五七調で読め、内容が理解できることが大事です。
2 豊かな情景描写
(1) 用語、熟語の選定 漢字1文字にも意味があり、用語、熟語にも独自の持つイメージがあります。どれを選ぶかは、よく吟味をしたいものです。平易な漢字を使いながらも、自分の気持ちや感動を端的に伝えることが大切です。また、用語の組み合わせで味わい深い詩になることもあります。
(2) 簡潔性の追求 説明的な言葉など、不要な表現を無くすことが必要です。用語表現を努めて簡潔にし、九文字を通して読者の情景へのイメージが膨らんでくるようにします。
(3) 独創性の追求 独創的な表現に着意したいものです。意外性や新鮮味のある表現が詩の価値を高めてくれます。時には、辞書に無いような「造語」にもチャレンジしてみましょう。
(4) 季材や地名の活用 情景描写を容易にする仕法の一つが、季節感のある言葉や地名や名所などを織り込むことです。これらを自然体で取り入れることで良い作品が生まれます。
(5) リズム感 作品の読みから来るリズム感で印象が変わってきます。五七調でまとめられても、母音(ア、イ、ウ、エ、オ)の持つ響やそれらの続き具合でリズム感は変わります。イメージした詩の内容との整合性も考えてみたいものです。